Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

悩んでいる時間が長いほど、抜け出たところには、信念が待っている

これまでマネジメントやリーダーシップに関する様々な本を読んできた。きっと100冊は優には超える。そして本屋に行けば、あちこちに類似した名前が付いた本が多数存在している。良書も、そうでない本も千差万別だ。いろいろ読んでいると、結局内容も類似していて、似たような本はもはや読み飽きたというのが正直なところ。また、自分は現実主義なので自己啓発的な本はほとんど読まない。

 

でも、その中でも僕がリスペクトする本の一つを今日は紹介したい。先日、ふと本棚から手にとりもう一度読んだ。なぜか読み入ってしまった。タイトルはありふれたタイトル。でも非常に内容の濃い本だ。推薦したい一冊だ。

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本の中ではいくつかのkey phraseがでてくる。その中で自分が大事だなと思うこと、あるいはinspireされたことを以下に列挙する。

 

  • 成功者から学ぶべきことは、うまくいかなかったことをなぜあきらめなかったということである。
  • 私たちは毎日、未来の種をまいている。
  • すべては自分からはじまる。
  • 無駄な努力はない。成果は出ずとも成長している。
  • 変わらないものほど、変わるときに大きく変わる。
  • どん底からドラマが始まる。
  • 人はあらかじめどこで諦めるかを決めている。
  • 諦めない限り人生には成功しかない。
  • 夢は、すべての過去に意味をあたえる。
  • 満足しか知らない人は変われない、感動を知って自分が変わればすべてが変わる。
  • 悩んでいる時間が長いほど、抜け出たところには、信念が待っている。

 

 

時間について考える

あっという間に1週間が時間が過ぎてしまった。過ぎ去ってしまった。それって良いこと?悪いこと?そう思っているうちに更に時間が過ぎていく。気が付けば、今週どころかもう4月後半。一年の半分が既に終わろうとしている。でもこれはおかしな感覚だ。明らかに10代~20代の時より時間が早く過ぎていく、そう感じている。

 

調べてみるとこんな法則があるようだ。ジャネーの法則。

ジャネーの法則(ジャネーのほうそく)は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に説明した。

簡単に言えば生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)。

例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。

 

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これが本当であるならば、二十歳になった時点で人生の半分は終わっているということだ。でも、確かに自分自身二十歳くらいまでの記憶は、人生の殆どを占めている感覚がある。30代以降何をしていたのだろうと、ふと思う。

 

OK.では心理学的にはそうだとして、物理学的には時間は万人に平等なはずだ。でも、なぜ時間が早く流れると感じてしまうのだろう。きっとその答えは、知識や経験の蓄積により、新しいものへ触れる機会が少なくなるからではなかろうか?すなわち、トキメく瞬間が少なくなるからではなかろうか?つまりは、ハートを強く突き動かす衝動や感動を得る機会が少なくなるからではなかろうか?

 

つまりこういうことかもしれない。

新しいことをすると時間は緩やかに流れる。

新しいことをすると時間に意味を持つ。

 

食で地方を興す

前々から気になっているお店。まだ一度もいけていないが近日中に必ず試したいお店。

コンセプトは、岩手と東京を食で繋ぐ。地方のおいしい食材を東京の経済に繋げる。そしてそのお金の流れで地方を復興しようということだ。決して簡単なことではない。でも誰かがその道を創らなければ、そこに道は生まれない。当店の経営者は、応援したいと思える素晴らしい起業家であり、お店も本当に試したいと思える素晴らしい演出。近日予約をとろう。

kakunosh.in

以前、こんな記事を書いた。東北の食を新しいメディアの形で紹介し旋風をおこしている「食べる通信」。起業家が”アイデア”を食にふりかけることで、そこから新しい経済活動が生まれる。そしてそれは地方に恩恵をもたらす。僕たちの生活に最も身近なこの"食”というものには未だ多くの可能性が潜んでいる。そう、アイデアがあれば世界は変わる。そしてアイデアに限界はない。

ahead-of-the-curve.hatenablog.com

 

僕が従事する日本酒事業もコンセプトは同じだ。地方から世界へ。活躍する先輩方の後姿にはいつも感銘を受ける。2017年、僕も仕掛けて行くぞ。

人間はうんこに向き合っていない

強烈なタイトルでブログを書いてしまい赤面の至りである。

 

でも、世の中には本当に様々な人がいて、そこにはそれぞれの思いがある。文章を読んでみると、登場人物の伊沢さんのうんこのに対する情熱と誠実さがひしひしと伝わってくる。あまりにも文章の中に、自然に「うんこ」があからさま出てくるその官能さに笑いそうになってしまうけれど、書いてあることは環境論である。そのギャップがさらに面白い。

news.livedoor.com

 

紹介されている「葉っぱのぐそをはじめよう」を読んでみようと思う。

うんこを勉強してみようと思う。真剣にのぐそと向き合ってみようと思う。

 

突きつめる、突き抜ける

昨日は友人Kとサシのみ。毎度のことながら、彼は面白いお店を紹介してくれる。こちらだ。日本酒をこよなく愛する者だけが入店を許される”厳しい”お店。Webのレストラン情報にも「日本酒を一合以上呑まない方の入店は御遠慮願います。」と明記されているようなお店。

 

結果2時間で二人で一升くらい飲んでしまった。1年に一組いるかいなかの量を飲んだとご主人が口を開いた。一見強面のご主人も最後は打ち解けて日本酒を語り合った。この20年で日本酒がどれほどに変わったか。開封後常温で熟成させる。しかも真夏に。それでも”負けない酒”とは何か。話は面白いほどに深く、遠くまでいく。

 

実は、当店もそうだが、日本酒を突き詰めているお店は、ある特定の酒屋さんから仕入れている場合が多い。厳密には、その酒屋さんは、もっと突き抜けていて、日本酒に対して愛がないと日本酒を売らないというご主人。許された者だけがそこから日本酒を購入できるという。面白い世界が存在するものだ。 

 

やっぱり突き詰める人、突き抜ける人とは、そのことが本当に大好きなんだよね。だから真剣に勉強するすし、そこにものすごい純粋さがある。そしてそこに人は魅了される。

 

そんなことを思った一夜。

 

 

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「早く行きたいなら一人で行くといい 遠くへ行きたいならみんなで行くといい」

早く行きたいなら一人で行くといい
遠くへ行きたいならみんなで行くといい
 
アフリカで古くから伝わる諺だそうな
 
長い旅路、仕事、あるいは人生という旅においては、やはり様々な人の力やサポートが必要だということだね。
 
本を読んでいたら、ふと目にした言葉。シンプルだけどとてもinsightfulな諺。生きていく中ですごく大切なことを謳ってるね。

競争は終わらない、イノベーションは終わらない、僕たちのライフスタイルの変化に終わりはない

先ほど、アップルの自動運転車プロジェクトが、カリフォルニア州から公道テストの認可を取得したことが全世界に報道された。人類のライフスタイルを大きく変えたグーグル、そしてイーロン・マスク率いるテスラモーターズ。そこに、人類の歴史をさらに変えたアップルが参入する。試験車両がTOYOTAのレクサスだという点は、日本は誇るべきだが、この新しい産業の先駆者はやはり米国だ。

japanese.engadget.com

 

世界の頭脳が集まる米国。そして頭脳だけではく、先見性を持ち、リスクをとり投資できる投資家がいることは米国の最大の強みだ。でもそれだけではない。それは国・州の先見性だ。今回、カリフォルニア州は、”公道”でのテスト認可を許可した。ここにポイントがある。regulationを作る側もリスクをとっている。利害関係者のすべてがイノベーションに向けてタッグを組むわけだ。米国が新産業の発展において、スピードも、質も、クリエイティビティーも日本を遥かに凌駕する・できている根本的な所以はここにあるのではないだろうか。

 

さてさて、評論家はここまでとしよう。アップルを含めたこの3社が、これからどんなイノベーションを起こすのかが楽しみでならない。

  

ここで余談をしよう。こんな本がある。「百年前の二十世紀」(横田順彌氏著)。今から100年以上も昔の明治34年(1901年)から見えた遠い将来の「二十世紀の予測」がそこには紹介されている。

 

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<無線電信および電話>

マルコーニの発明した無線電信は、より一層発達し、それだけではなく無線電話は世界各国に連絡して、東京にいながら、ロンドンやニューヨークの友人と話をすることができる。

 

<暑寒知らず>

新機器が発明され、暑さ寒さを調和するために、適宜の空気を送り出すことができる。

 

<写真電話>

電話口には、話す相手の姿が映る電話ができる。

 

<買物便法>

写真電話により、遠距離にある品物を鑑定して売買契約をすると、品物は地中の鉄管を通って、ただちに手元に届く。

 

<人の身幹>

運動術と外科手術によって、人間の体は百八十センチ以上になる。

 

<人と獣の会話自在>

動物の言葉の研究は進歩して、小学校に獣語科ができ、人と犬、猫、猿とは自由に対話することになる。したがって、お手伝いさんなどの仕事の多くは犬によって占められ、人が犬を使う世の中になる。

 

<幼稚園の廃止>

人間の知能は遺伝により、非常に発達する。そして、過程に無教育の人はなくり幼稚園は不要になって、男女ともに大学を卒業しないと一人前とみなされなくなる。

 

<サハラ砂漠>

サハラの大砂漠はしだいに開発されて豊かな土地となり、東半球の文明は中国、日本、アフリカで発展する。

 

以上、本の中で紹介されている23の予測のうち8つを引用した。気づいたよね、二十一世紀に達した今日、これらの多くは実際に予言どおりになっている。

 

志あるところに道ありき。

 

きっと、この自動車産業からもまた、innovationが生まれることだろう。ナイトライダーのキット、あるいはback to the futureのデロリアンに近未来に遭遇するに違いない。

Stay Hungry, Stay Foolish

日本社会では4月から新しい期が始まった。新しい学校だったり、新しい会社だったり、4月は新しい出会いや人生が始まる月。鮮やかな桜はそんな”始まりの季節”を美しく演出してくれる。

 

一方、太平洋を越えたアメリカでは4月~5月は卒業式のシーズンだ。最後の試験を終え単位を取得できれば卒業だ。かつて、僕自身、卒業に向けてカリカリ勉強していたこの時期が懐かしい。そして、世界各地からアメリカへ集まった若人は卒業し、また世界へ飛ぶ。

 

こんな季節にはいつも一つのメッセージを思い出す。閲覧した人も多かろう。感動した人も多かろう。でも何度見ても、何百回見ても魂に伝わるメッセージ。今日は、そのメッセージを改めて自分に送るためにブログに書いた。

www.youtube.com

ジョブズの生き方は、本当に大きな勇気を与えてくれる。自分の悩みがいかに小さいものなのかを思い知らされる。

 

信念を持つこと、そして諦めないこと。

Time is limited. Follow your heart and intuition. 

 

Stay Hungry, Stay Foolish 

 

幸せの形

ブログにも幾度となく参上したお店。既に常連中の常連になってしまったが、昨日はこちらにて貝を食べた。

 

昨日は、マスターもご機嫌でピアノやらギターやら次々に様々な芸が繰り出された。素直に天才だと思える。いつも想像的で、いつも新しい人。そんなマスターに魅了され、いつもお店は満席だ。

 

きっと様々な経験、様々な苦労をして今の仕事そして店舗運営にたどり着いたと思うけれど、彼を見ていて本当に楽しそうだ。そんな彼を慕ってまた多くの人がそこに集まる。そういう生き方っていいな。

 

幸せにはいろんな形がある。でも毎日笑顔で楽しくいれること。それは間違いなく幸せだ。

 

そう思った夜。

 

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勉強会

昨日は都内某所で勉強会に参加。昨年から始めたもので、定期的に開催している勉強会。テーマは持ち寄りで集まり、毎度それぞれが担当する。参加者は、元寿司職人から弁護士までと顔ぶれは様々。

 

昨日のテーマは以下の二つを題材にディスカッション。内容は割愛するが、テーマの内容は幅広い。笑

 

さて、僕にとってのkey pointは、同じ時代を生きた同年代の人、そして今は全く違う産業で働く人たちが友達となり、議論や、共に語らうということ。皆、全く異なるバックグランドなので、推薦する本や、着眼点が結構異なり非常に面白い。

 

仕事以外、そして利害関係のない友人関係って改めて大事だなと思った夜。

 

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文化を紡(つむ)ぐ

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様々な価値の創出があるけれど、こちらのバリューマネジメント社の活動は、一事業でありながら、本当にSocial responsibleだと思う。当社の事業は成長し従業員も株主もハッピー、建物のオーナーには新しい事業機会が到来し、文化財は維持・保存され、街には人の流れが生まれる。win-win-win-winの関係だ。近いうちに、当社が紡いだ施設に行ってみようと思う。

 

HPより

バリューマネジメントは、国家の課題の一つである空き家・空きビル問題、歴史的建造物の維持・保存に向き合い、それらを利活用することを事業としています。それぞれの施設には歴史・特徴があり、その価値を最大限に生かすことで「日本文化を紡ぐ」ことを目指します。各施設を訪れる理由はお客様それぞれですが、どの施設にお越しいただいても、その日が特別な一日となるような「非日常空間」をご提供します

 

www.vmc.co.jp

 

 

日本酒

近年、日本酒に関する記事を各種メディアで目にするようになった。データによると日本酒の2016年の輸出額は155億円と7年連続で過去最高を更新したそうな。毎年ダブルデジットで成長してるもんだから、その成長性をメディアも謳う。

 

まず、成長することは衰退することよも、もちろん素晴らしいことであり、ドンドン成長してほしい。しかし大事なファクトは、成長率が高いのは分母が小さいからだということ。小さい市場が少し大きくなれば、成長率は+20%でも+50%にもなってしまう。単純な事実だ。

 

客観的にみれば、日本酒の海外での市場は155億円に過ぎない(ここでは海外生産の額が入っていないので、現実の海外市場はもう少し大きい)。一方、ワインの世界市場は10兆円とも言われている。まず、この事実を認識しなければならない。

 

かつて、欧州のワイン市場も日本の日本酒市場と同じように国内消費は衰退の一途をたどった。あのロマネコンティも倒産の危機を迎えたこともある。でも、そこから欧州のワイン産業は、一丸となってマーケティングを駆使し世界に羽ばたいた。様々な地でワインが飲まれるようになり、様々な地でワインも生産されるようになり、それぞれの地に文化として根付いていった。

 

その歴史的背景を見たときに、日本酒産業はAmbitionを持つ必要がある。155億円ではなく、10年で1兆円の市場を世界で創出するにはどうするか?だ。そのためには、どの市場でも同じことだけれども、様々なプレーヤーが参入し、様々な人が日本酒を製造し、様々な人が日本酒を語らなけれならない。

 

近年、中田さんが日本酒を世界に推しているのことを知る人も少なくはないだろう。是非ドンドン海外に向けて日本酒を語ってもらいたい。他にも、著名人、セレブにドンドン海外に向けて日本酒を語ってもらいたい。重要なマーケティング&プロモーションだ。


一方、もう一つ大事なポイントは、海外で飲まれる日本酒は美味しくなくてはならない。シンプルな事実として、マズイものは売れない・飲まれない。美味しさに感動して初めて、口コミと次の消費が生まれる。海外に行くと(実は、日本でも同様だ。国内市場の衰退の理由はここにもある)、HOT SAKEみたいな感じで、とてつもなく熱いSAKEが出てくることがある。でも、アルコールの沸点は78度であり、それ以上では酒は蒸発し奇天烈な飲み物になってしまう。顕著な例は電子レンジで作ったお燗だ。一気に熱するために、蒸発した部分・そうでない部分が入交り、ファンキーなお燗ができてしまう。歴史的に、日本酒のお燗が湯銭でゆっくりと作られてきたことには理由がある。(参考:日本酒は、ワインと同じように管理も重要だ。でもその管理は多くのお店でないがしろにされている。それが結果として日本酒をまずくしている。結果として、市場を破壊している。一例をあげよう。以前ある程度高級なお寿司屋さんに行った際に、日本酒を注文した。でも出てきた日本酒は劣化していた。普通の客であればそういうもんだと思って飲んで、二度と飲まなくなるだろう。もちろん僕にはそれが本来の味でないことはわかる。ではなぜそうなるのか?そこにもシンプルな事実がある。その寿司屋の店主は、毎日車で来ているので酒を試飲しない。そもそも、職人が客前で日本酒を試飲してから出す文化は日本にはない。だから、劣化したことを知らずにお酒をだす。実は、この経験を僕は他の寿司屋でも計3回くらい経験している。ワインのソムリエが、試飲してから客にワインを出すことには意味がある。ラストワンマイルでのこの差が、市場を創る中で大きな差となっていると考える)。

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海外での消費を増やすには、日本酒を美味しく飲むことができる空間と、それをいざなう人材が必要だ。問題は常に勃発してるけれど、今僕はこれを香港で実践している。

 

マーケティング × 伝える仕組み&人(実際のおいしさ )× プレーヤーの参入=市場拡大

日記を書きたい

週末だ。

少し心の内を徒然なるままに吐露したい。独り言として書きたい。

 

ここ数年、自分のライフスタイルがあまり好きではない。朝起きるのが非常に遅く、読書量も全然足りない。かつては毎朝5時に起きて、読書やら勉強やら様々なことをして働きに出た。会社には7時半には確実についていた。毎日新聞は4紙を読み、本も年間200冊くらいは読んでいたと思う。そして、ちゃんと、しっかり、確実に、着実に、毎晩様々な会合に出席して最後まで残り飲み明かした。平均睡眠時間は4時間でやっていた。

 

僕は、そういったライフスタイルに疲れるよりも全うすることにむしろ憧れた。なぜならば、僕の恩師がそういう生活をしながら、バリバリに働き、めちゃくちゃにカッコよかったからだ。僕はそんな彼の姿をいつも横目に見ながら、真似をして日々を生きた。少しでも彼に近づきたかった。

 

あれから数年がたった。僕は現在の自分のライフスタイルが温い(ぬるい)と思えてならい。かつてのように毎日5時に起きれなくなった。勉強に対する執着心が激減した。年間50冊も本は読めていないだろう。確かに年をとった分様々な責任も増えた。やることも増えた。でも同時に退化している自分がわかる。そんな自分が嫌だ。当時、僕の恩師は60歳でいながら、僕より遥かに勉強し、疾風のごとく行動し、誰もよりも熱くて、誰もよりもクリエイティブだった。今の僕を見たら、彼は一言こういうだろう。「ごめんな。俺は先へいく」。

 

最近、恩師に会いたいと頻繁に思う。恩師を感じたくて仕方がない。

僕の第二の父親であり、親方であり、先輩であり、戦友であり、恩人だ。

 

近日連絡してみよう。

彼はきっとこういうだろう。1秒後に。

「おう、元気か?」

「OK、じゃ来週 x 日、いつものとこで」

会話は大体10秒くらいだろう。それくらいのスピード。

 

順番を変える

昨日、こちらのお店にいってきた。南青山にひっそりと隠れが的に存在する素敵な創作レストラン。 

www.cork-minamiaoyama.com

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このレストランは一つ独特なアプローチを持っている。それはワインを先に選定させて、それにあわせて料理が決まるという仕組みだ。食にあわせてワインを選ぶのではなく、ワインにあわせて食をマリアージュするという逆転の発想。この発想は新しい。とりわけ食にあわせた日本酒のマリアージュに関わっている僕にとっては非常に興味深いアプローチだ。

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ソムリエがまず先に客にワインを選定させ、ワインが確定してから料理の準備が始まる。

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飲食とは日々万人が欠かすことのできない日常的な存在でありながら、記念日やお祝いといった非日常を最も演出する最高のツールという顔をもつ。一方、いかなる産業よりも長い歴史をもちながら、いまだイノベーションが起こり続ける産業。そう考えると飲食って非常に面白い。

 

昨晩は、”順番を変えるだけ”で、そこに新しいエンターテイメント、新しい価値が生まれるというシンプルな事実にまた一つ学びを得たと同時にその可能性に素直に感服した。どんな事業でもクオリティーは絶対に求められるけれど、それ以上に重要なこと、それはアイデア。

 

是非、また行きたいレストラン。

 

< コース料理一部撮影>f:id:Ahead-of-the-Curve:20170407231252p:plainf:id:Ahead-of-the-Curve:20170407231301p:plain