Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

生き残るって大変

つい先日、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが、米ヤフーのネット事業などを買収することが発表された。インターネット時代の草分け的な存在として世界に変革を起こしたヤフーの売却は、時代の変化の厳しさを表している。とりわけネットビジネスの環境は疾風迅雷に変わっていく。今日の勝者は明日の敗者。優れたideaがあれば容易に参入を許すITビジネスは多くの人々に”機会”をもたらすとともに、その新市場はすぐに競争熾烈な市場へと収束してしまう。

 

日本のネット生命保険の草分け存在であるライフネット社にも時代の変化が到来しているそうな。出口さんや岩瀬さんのように優秀な人材が経営を担っていても、持続的に生存することは決して容易くはないということだ。多くの夢を乗せて大変な苦労をしてライフネットは立ち上がったわけだが、その新市場では競合の追随を許してしまった。先行者利益・優位性などは、ほんの一瞬で褪せてしまう。

  

まぁ、後講釈なんていくらでもできる。

 

でもいつの世もビジネスにとって変わらぬ摂理とは、身体に贅肉はつけず、コストを落とし身軽にしておくこと、環境の変化に合わせ常に進化していくこと、あるいは環境を創っていくことが絶対条件。もう一つあるとすれば、ニッチな市場でマニアックに生きていくこと。大きな成長は見込めながいが一定の需要が持続的に存在するような。でもこのニッチ戦略だって、常に革新的チャレンジを続けなければ、ジリ貧へ。

 

事業をこの世に生み出すこと、そしてそれ以上に大変なことは、それを持続的に維持・成長させること。

 

大変だよね。でもその努力がないと文明に進化はないんだよね。いやはや。

 

<7月31日日経新聞より>

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