本日の日経新聞の記事。曰く、規制強化で企業調査が難しくなり、業績を予測する従来の手法が通用しなくなったと。
かつて自分自身がアナリストだった時代のとある場面のことを思い出した。決算説明会のこと。確か外資系のアナリストだ。「情報を開示してください!来期の予測を開示してください!そうしないとレポートが書けないじゃないですか!」。別にアナリストの苦境は今に始まったことではない。古今東西、この手のアナリストは存在している。そして逆もしかり。凄腕のアナリストは、静かに哲学者のようにコツコツと分析を続ける。人前には出ない。仙人のように熟考を続け、攻めるときは怒涛のように攻める。業績を予測する従来の手法が通用しなくなった?そんな普遍的な手法などはそもそも存在しない。していたらマーケットは存在しない。
さて、凄腕のアナリストとはどういった人物か?様々な人が存在するけれど、共通することは、皆表面的な情報に見向きもしない。新聞すら読まない人もいる。逆に歴史や哲学であったり、宇宙物理学であったり、そういったことを猛烈に勉強している。そして、社会の方向性や、環境、人類が今後どのよう変わっていくかを深く考える。四半期先の情報開示がなくて、ごちゃごちゃ騒いでいるアナリストとは格が違う。むしろそういったアナリストが苦境に陥るのは当然のこと。
「広く、深く、遠く」
僕の恩師であり、まさに仙人のようなアナリストが教えてくれた言葉。今でも僕のバイブルだ。