今日、僕は日本へ帰国しなければならない。
しかし、大家からの連絡はまだない。
携帯を見ては、「着信なし」ばかりを目にする時間が続いた。
生憎、天気も悪く外は雨。
昼過ぎに一通のLINEメッセージが届いた。
「残念な知らせです。お電話ください」
という内容。
ドラマじゃないんだし、この結末?!
耳を疑った。しかし、残念ながらそれが現実だった。
大家は、もう一社を選んだという。理由は定かではないが、相手も僕と同様に頭金を振込み、アグレッシブに攻込んでいたということだけは分かった。
日本への飛行機のフライトまであと7時間での出来事だった。厳密には、空港への移動時間・手続きも合わせれば、残り4時間程度だ。
7月初頭に香港に初上陸し、丸々1ヶ月、物件を探すために大きな苦労を払ってきた。それなのに、ここにきてお気に入りの物件が目の前から消えた。脱力感が全身を襲った。
しかし、僕自身の基本的な考え方でもあるのだが、
いくら悩んでも悔やんでも、物事は解決・前進しない。アクションとソリューションのみが前進させる。
”諦めるな!”
そう奮い立たせ、雨の中、そこから再び物件探しをすることにした。
不動産エージェントも、僕の立場を知り、必死に物件を探してくれた。
時間は刻々と過ぎていく。雨も滝のように降ってきた。
そして物件情報が来た。
もう、物件の詳細を吟味している時間はない。
直接現場へいって、この目で見て感じる。それが最速だ。
エージェントは、3件を用意してくれた。
早速1件目。SOHOから徒歩でいける場所。
しかし、エージェントは、移動中その物件のことをそれほど推奨してくれなかった。
「古く、穴蔵のようなころにあるから」と。
雨は更に勢いを増していく・・・
コンビにで傘を買ったが、その雨の嵐の前では役に立たないほど。
確かに穴蔵
ただ、その先には、一つの物件が待っていた。
最後の最後に、また大どんでん返し。
大家も現れ、僕のハードな賃金交渉を受け入れてくれた。
この隠れ家的イメージ。
周りの町の環境。
きっとここなのかもしれない。
最後に出会えた。
即決した。
Expec the unexpected
さぁ、急いで帰国だ。