いきなりだけど、ト ム・ソーヤの話を知ってますか?
トムはいたずらの罰として、ポリーおばさんにペンキ塗りを命じられる。でも、そんな仕事はしたくない。そこで名案を思いつく。本来したくない仕事を口笛を吹いて楽しく始めた。そこを通りかかった友達は、そんな仕事をなぜ楽しそうにしているのか?と聞く。「なぜかって?ペンキ塗りって毎日できる仕事じゃないだろ?」。確かに、ペンキを塗れる機会は少ない。友達は、あまりにも嬉しそ うなトムを見て、ついつい自分も塗らせてくれと頼み込む。トムはこれを断る。なお一層、興味を示した友達は、自分の持っている宝物と交換に塗らせてくれと 頼み込む。ならばと、トムはその宝物と交換に、「とっておき」のペンキ塗りという仕事を友達にやらせてあげる。やっとペンキ塗りという「価値ある」仕事を 手に入れた友達は、大喜びで仕事にとりかかる。それを見た他の友達も次々にペンキ塗りに加わっていく。
価値のないものに価値を持たせる仕組みがここに見える。
これは、演出(ストーリー)と希少性が人に興味を喚起し、その"人が人を呼ぶ"群集性が織りなすモデル、言うなれば戦略である。
僕の事業においても、この人間心理をいつも考えている。
どうやったら人気店を創造し、持続的に運営するのか?という命題への挑戦だ。