Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

AU

国民投票により英国のEU離脱が決まってしまった。この結果は世界経済にとって大きな混乱要因になろう。今日の株価も大きく下げた。下がり幅としては16年ぶり。為替も一時1ドル99円にまで食い込んだ。香港から日本の食材を購入している僕にとって致命的な打撃となる。

 

今回の離脱によりEUというものに初めて綻びが生じてしまう。ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体から始まり、50年もかけて完成したヨーロッパ共同体EU。戦争の歴史や、民族の闘争を乗り越えヨーロッパは一つになった。ユーロという単一通貨を導入し、域内での人の動きを限りなく自由なものにした。この試みは人類にとって全く新しい挑戦となった。

 

しかし、単一通貨を導入したことにより、国家間の経済格差にもかかわらず金融政策が一つしか取れないという現実が大きな制約条件となり、ギリシャをはじめとした経済危機を生んだ。それでもEUの団結力により今日まで様々な困難を乗り越えてきたわけだ。だが今回のUKの離脱によりEUに一つ穴があく。それも経済大国UKの離脱だ。その穴は決して小さくはない。そもそも今回の離脱の発端は、他国からの移民により英国内の職を奪われた英国人の不満が蓄積されたことに起因する。この離脱は他の国々で同じように不満を蓄積している人々にも必ず伝播していくことになるだろう。決壊した川のように。

 

ところで、だ。

時勢とは間逆なことを言ってしまうが、僕は中国と韓国と日本がAsian Unionとして、経済共同体を作ればよいと思っている。戦争の歴史を乗り越えて共同体化した欧州のアジア版だ。日本の基礎研究と技術、韓国の猛烈な営業と行動力とスピード、そして中国の生産と労働力。日本が犯した戦争の歴史消えることはない。しかし地理的にも、歴史的にもこれだけ近い国同士が、歴史問題を感情的にいがみ合っているのは実にもったいない。経済という軸で連携し、未来の繁栄のためにタッグを組みたいものだ。世界の中心をアジアへ。

 

Asian Union = AU.