鰻は、蛇に似ており、蚕は芋虫に似ている。誰でも、蛇を見れば嫌がるし、芋虫を見れば、気味悪がる。
それなのに、漁師は平気で鰻を掴むし、女は平気で蚕を手で掴む。どちらも似ているのに、方や毛嫌いされ、方や好まれる。これは一体どういうことか。
即ち、鰻と蚕は利益になるからである。鰻を取れば儲かるが、蛇を取っても儲からない。芋虫を触っても儲からないが、蚕を紡いだら儲かる。だから、人は平気で触ることができるのである。つまり、利益は、人を勇者にするのである。
どんなに気持ち悪いものであっても、金になるか、ならないかで扱いが変わる。人は、利益のためであれば、どんなことでもできるのである。
韓非子を読んでいます。
2000年以上も褪せることなく生き残ったこの書物。
深みのある内容だ。