Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

工夫から始まる

仕事がらこれまで多くの酒造に訪れ蔵を訪問してきた。当然、それぞれの蔵には歴史があり、特徴があり、ストーリーがある。

でも、国内の日本酒需要が減退しているこの産業においては、時代の変化に対応し、蔵自身も変化していかなければ、厳しい環境下で生き残ることは難しい。そういった環境の中で、しっかりとブランディングできている、少なくとも勝負している、と僕が思う蔵元はこちらの酒蔵。僕の地元ということもあり、また個人的なつながりもあり、何度も訪問させてもらったことがある。伝統と現代マーケティングをしっかり実行し、衰退する産業の中でも成長をすることをあきらめない一つの姿だと思う。今後も個人的にも応援したい酒蔵の一つだ。

そんな中、他で面白い酒蔵が存在することを知った。詳細はこちらのブログに詳しく書いてるのあるので、内容の紹介はこちらにお任せすることにしよう。それは、埼玉県は蓮田市にある清龍酒造

早い話、酒蔵にいっても歴史は感じるが、究極的にはそこに現代的な鉄のタンクが並んでいるだけ。そしてそれはどこも同じだ。別にタンクを見ても、相当にマニアックでない限り「なるほどね。これが酒造タンクか」以上の感想を持つことは難しい。だからこそ、それ以外にどんな付加価値や経験(luxuary experience)を用意し、顧客の脳裏に焼き付けるかが重要だ。その意味で、清龍酒造の試みは面白いし新しい。歴史や文化に根差す産業を、歴史や文化の中で埋没させるのではなく、新しい形、新しい価値をつくっていく一つの形だよね。

 

工夫とアクションからしか始まらない。

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