Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

To be Good to Great

「ビジョナリーカンパニー」に久々に出会った。

ピータードラッガーの後継者として称されるジムコリンズが著した「ビジョナリーカンパニー(原版:Good to Great)」シリーズ(v1~v4)。こちらを知る人、あるいは実際に読まれたビジネスパーソンも多くいることだろう。僕も実際にその中の一人だ。

では、そもそもビジョナリー・カンパニーとは何か? ビジョナリー・カンパニーとは要約すると、「ビジョンを持っている企業」「未来志向の企業」「先見的な企業」を指すそうな。ビジョナリーカンパニーには以下の類似性があるという。これらを実際の事例を用いて論じて行くのが「ビジョナリーカンパニー」という本の主なコンテンツだ。

【ビジョナリー・カンパニーの8つの生存の法則】
(1)製品ではなく企業そのものが究極の作品と考える
(2)現実的な理想主義
(3)基本理念を維持し、進歩を促す
(4)社運を賭けた大胆な目標
(5)カルトのような文化
(6)大量のものを試して、うまくいったものを残す
(7)生え抜きの経営陣
(8)決して満足しない

確かに、何となく上手く行っていそうな匂いのする特徴だ。実際、これまで投資家として1000社近い企業や、経営者にお会いしたりしてきたけれど、業界のリーダーでかつ持続的に成長しているような企業は、本当によくこれらの多くの点が当てはまっている。例えば、工作ロボットなどを製造するファナック。一部上場企業であり、業界では断トツの世界プレーヤーであるが、いかんせんすべてが黄色なのだ。(関連記事)。それはまさにカルト的、その言葉に尽きる。

ただ、因果関係が重要だ。これらの特徴は「結果的に」そのような特徴が散見されるということであり、それができればgreatにカンパニーになれるわけではない。カルト集団になることを目指しても生存するどころか、そこにはカオスしかない。

ビジョナリーカンパニーとは素晴らしい本ではある。多くのinsightを与えてくれる。しかし、明日からの具体的な経営手法を教えてくれる本ではない。そもそも、企業経営に普遍的な妙薬などはない。あるはずがない。あれば皆成功している。結局は、経営者は、自己の置かれた環境の中で、試行錯誤をして明日を切り開いていくしかない。

しかし、そんな中でも、これまでの様々な経験を通し自分が経営に対して重要だと思っている、あるいはこうしたい、ということを下記に列挙してみたい。

  • 経営陣が信頼し合って本当に仲がよいこと
  • 経営陣が勉強家であること
  • スピード(意思決定の速さ、そしてアクションまでのリードタイム)、朝礼暮改を受け入れる土壌づくりと文化
  • Think Big but Be Relatisitic /大志を抱きながらも、現実的な思考と戦略
  • 前例・既存・一般的な価値観にとらわれない柔軟性、新しさへのOPENESS
  • 成功に固執せずに、社会の変化、ニーズに変化に対して高いアンテナを
  • 大きな投資へのROIのみならず、日々のROIへの意識(会議の回数、時間、出席者数、レポート数&頻度、通勤時間、出張etc etc)
  • できる限り無駄を削減し本質を追求。しかし従業員の給与は業界一の水準を目指す。
  • 情熱