Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

金沢よ、金沢よ

地方都市の未来を占う上で金沢をモデルにするのは難しい。金沢はやはり圧倒的にすごい。かつては百万石を誇っただけのことはある。多くのコンテンツがこの街にはあり、面白いことにそれぞれのアトラクション同士が隣接しているために、効率的に観光地を回ることができる。知人が、「京都よりも金沢の方が面白い」と言っていたその理由がわかった。

 

金沢新幹線ができて、観光は倍々ゲームで増加しているそうな。でも、きっとこの街にはもっと観光客が増えるだろう。海外からの飛行機の出入りを見ると、台湾が毎日運行していて、ソウル・上海が定期便。案の定、街には多くの台湾人を見かけることができる。

インバウンドの観光客は、最初は東京、大阪、京都へ行くだろう。その次はリピーターとなり、札幌や福岡といった既に国際交通網が発達した著名都市へ向かうだろう。そして金沢だ。時間の問題で、金沢への国際便はもっと増えるだろう。街にはもっと国際色豊かな観光客が増えるだろう。

 

その時、金沢には今のままの姿で成長してもらいたい。あちこちに外国語の看板を掲げ景観を崩してほしくない。金沢の原風景のままで観光客を受け入れてもらいたい。もちろん、受け入れる側は、英語であったり、中国語であったりを習得する努力は必要だ。でも、どんなに国際観光都市としてこれから成長したとしても、金沢の原風景は何も変わらないでほしい。それこそが差別化となる。変化することも大切だけと、「変わらない努力」もそれ以上に重要だ。

かつて、日本の観光業は大きな過ちを犯した。それは、どこに行っても同じような温泉街が乱立する同質化現象だ。流行に乗って地元の古来の風景を上書きしてしまった。流行っているときは良かったわけだが、その後多くが閑古鳥を経験することになる。

 

今、世界に開かれた日本の観光業は、今一度原点回帰が必要だ。地元古来の文化、習慣、食、方言、それこそが魅力となる。

 

そして重要な事は、黙っていてもインバウンドはこないということだ。それを実行する戦略と執行能力が必要だ。インバウンドはこれから3倍にも、5倍にも、10倍にも増えていくだろう。そのビッグウェーブに向けて、先手先手をうっていく必要がある。

 

今、僕は金沢でのプロジェクトを考えている。もっと金沢を勉強する必要がある。また行こう。

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