M's diary - 日本から世界へ -

~日本、世界、社会を考えるブログ~

岩手のかまど

「アイデアとは複数の問題を一気に解決するものである」

 

と言われている。確かにそう思う。でも、実際はそんなに簡単に優れたアイデアなんて中々出てこない。複数の問題を一気に解決する策などそうはない。事業をしていても実際にそう思う。

そんな中、興味深いstoryを知った。ここに紹介したいと思う。これこそ複数の問題を一気に解決した素晴らしいアイデアだった。岸田袈裟さんという活動家の「岩手のかまど」の物語だ。

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アフリカの多くの国では現在でも地面に石を三つ置いただけの三石かまどで煮炊きしている。岸田さんはかつて岩手で使われていたかまどの技術をケニアのエンザロ村に紹介した。かまどは熱効率がよく、燃料の薪が4分の一になった。そして火口が三つになったために一度に三つの料理ができるようになった。

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鍋の位置が高くなったために子供の火傷が減少し、女性の腰痛も大きく改善した。そして薪の使用量が少なくなったために自然環境の保護につながったと同時に、薪を集める作業自体も大きく減った。かまどにより効率的に蒸留水をつくることができるようになり、衛生環境が劇的に改善した。病気が減り、乳児死亡率が減少した。子供の死亡率があまりに高かったため多くの女性は多産を強いられ、体に大きな負担がかかっていたが、子供を失う不安から解放された親の間に「家族計画」の考え方が浸透し、子供の数は一家庭3~5人に減少した。作業効率が向上し時間にも余裕ができるとともに、身体への負担も大きく減少。生活環境が大きく改善したことから、副収入を得るための機会もできるようになった。

 

たった一つのアイデアが人々の生活や人生を大きく変えた。これこそアイデアだと思う。

 

僕たちが生きる現代の文明・社会は、先人の優れたアイデアから生まれたイノベーションの上に成り立っている。でも「かまど」の物語もそうだけれども、必ずしもそれが大きな発明であるとは限らない。むしろ物凄くシンプルな事から始まっているケースは少なくない。

 

アイデアの発掘とは万人に与えられた機会だ。今この瞬間から全ての人に平等に"アイデア"するチャンスがある。