Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

農村の眺めは美しい

お盆。お墓参りをしなら一枚写真をとる。我が先祖のお墓は高い丘の上にあり、見晴らしいは最高だ。そこには懐かしき田園と農村の風景が存在する。これぞ「田舎」といえる僕にとっては一級の眺めだ。

一方、風景から見える美しさとは裏腹に、この地で生を営むことは決して楽なことではない。これといった産業もなく、田園は広がるが米作だけで生きていける時代は遠い昔に終わった。美しい田園の風景?これは人が生活を営むことができるから存在する人工的な風景だ。人の生活がなくなればこの風景は野生に戻る。この地に限らず、このような野生への回帰という臨界点に直面する集落は日本には数戦も存在する。

久しぶりに帰省して驚いた事実がある。この小さな集落に二つの空き家が生れてしまった。「あっ」という間の出来事だった。様々な事情もあるだろうが、先祖から受け継いだ家を離れ、他の地へ越してしまった。でも残された家はまだ立派だ。人だって十分に住める。でも、このまま人の手から離れれば、やがて木が生い茂り野生に戻っていくだろう。小さな農村で今日生じている厳しい日本の現実だ。

f:id:Ahead-of-the-Curve:20170815125841j:plain

今日、こんな記事が日経新聞にあった。主旨は、外国人観光客は、都心部への訪問から、次は地方への旅行外国人者も増加してきいるということだ。大都会を経験した旅行者が、リピーターとして、日本の地方へも訪れる。自然な流れだ。是非このチャンスをつかみたい。

上述のように、僕の田舎には空き家が確実に増加してきている。中にはまだまだ建物としても素晴らしいものも存在する。そういった”田舎の日本の生活”自体を”経験”として提供してみてはどうか?。もちろん、1週間~2週間といった長期滞在型でじっくりその地を堪能してもらう。食事はその土地の人(イメージ的にはおばあちゃん)にその土地の食材をふんだんにつかって作ってもらう。夜は、出張シェフに来てもらい、和食のフルコースを目の前で作ってもらおう。顧客の少ない自店で顧客を待つよりは、ニーズのあるところにピンポイントで合わせる。単価が高ければ経済的にも合理的だ。他方、土地は余っている。ならばそれも活用しよう。その土地で米を一緒に育てたり、野菜を一緒に育てる。一緒に稲を植え、畑に種をまき生を授ける。生育の管理はその土地の人が担う。そして収穫時にまたリピーターとして再来してもらう。更には、取れたコメでお酒を造り(一緒に仕込む)その次の年に来てもらう。登山をしたり、山菜をとったり、魚を釣ったり、キノコをとったり、”田舎”のゆったりとした時間を堪能してもらう。その活動すべてに、その土地の人はインストラクターやガイドとして貢献してもらう。大きな設備投資なく既存のインフラを利用し雇用が創造できる。結果的に文化は継承できるし、農村の美し風景も維持される。あとは、これを具体的にどうやって実行するかだね。Start small。 まずは、現在空いている空き家を少しだけ改装して、最小限の投資で 開始するのが重要だね。これは僕自身の構想でもあり、実現したい夢でもある。

f:id:Ahead-of-the-Curve:20170815125338p:plain