Ahead of the Curve -日本から世界へ-

~日本、世界、社会を考えるブログ~

リオオリンピック

リオオリンピックも終盤戦。今回のオリンピックでも多くのドラマに心が動かされた。日本選手の活躍にいたっては、水泳での萩野選手の金メダルから始まり、柔道の全階級でのメダル獲得で柔道王国を復権、レスリング女子の金メダルラッシュは記憶に新しい。個人的には、卓球男子が中国と決勝戦で渡りあったこと、そして今日の男子400メートルリレーで銀メダルを獲得したシーンに沸いた。

 

何事もそうだけれど”極める”こととは芸術だ。それはスポーツも同じこと。

 

実は、僕が実は最も感動したのはシンクロチームの決勝の演技。オリンピック5連覇をかけた重圧の中での決死の演技。人間の想像力は無限であるということがこの演技から伝わってくる。是非、一度見てみてください。

 

【NHKリオ】息をのむ4分13秒 シンクロチーム フリールーティーン ロシア全演技 - YouTube

 

香港よ 香港よ

現在、香港国際空港でこのブログを書いている。3日の滞在だったけれど、様々な人と会い、様々なマーケットに訪れ、様々なものを食した。あくまで仕事だったわけだけど、香港づくしの3日間だった。 

 

総括として、率直な感想は、1年前に比べて明らかに街全体の消費意欲が減退している。とりわけマーケットにおける中国人の影響力の減少は顕著だった。具体的な統計は見ていないが、少なくとも肌感覚として去年のバブルの面影はなかった。

 

例えば、チムサッチョイにあるカントンロード(写真)。このストリートは、世界各国の高級ブランドが並び世界で最も“稼ぐ”ストリートと言われている。

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実際、ここの店舗が各ブランドの中で世界最大売上のブランドは数多いと聞く。昨年同時期にこのストリートを訪れた時は、中国人でごった返していた。各ブランドの前に中国人の長い列ができて、なんと入場制限までしていた。

 

店内に入れば正に“爆買”の様相を呈していた。1年たった今、「国敗れて山河あり」ではないけれど、随分と“トーン”が落ちていた。今日あの行列を見ることはできない。これは、香港というという街の始まりの終わりではなく、間違いなく終わりの始まりの一現象だと思う。

 

香港が中国に返還されたのは1997年。既にあれから20年が経過しようとしている。そして約30年後の2047年には現在の一国二カ国制度を終了し完全に中国に統合される。現在、世界で最も賃料が高いといわれるほどに活況を呈した香港。しかし、残念ながらこの街のピークは昨年だったに違いない。これからの旅路は下り坂を少しずつ降りていくことになるだろう。そしていつしか香港のポジションは上海に奪われていく運命にある。僕はそう考える。

 

歴史の中の多くの波に翻弄されてきた街、香港。欲望も絶望も成功も失敗もすべてこの街に存在する。数え切れない喜びや悲しみがこの光をつくっている。そんな街が作るこの夜景にいつも僕の心は揺さぶられる。

 

<チムサッチョイから眺めた香港島>

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さぁ、日本へ帰国だ。

旅は始まったばかり。

香港で勝負 ~2 years ~

高級住宅街Happy Valleyにある「譽満坊」。

香港に行ったときは、是非TRYしてみてください。

お勧めの一店です。

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さて、グルメレポートはここまで。Happy Valleyに訪れたのは2年ぶり。2年前、実はこの地で僕は香港での創業を計画していた。富裕層が多数住む街であることもそうだが、何よりも街の雰囲気に煌きを感じたからだ。

 

紆余曲折を経て、結果的に僕はこの地を選択しなかったわけだけれども、今でも思い入れのある街。


2年ぶりに訪れた店舗候補地は、今は幼稚園だろうか?現在では他の住人が事業をしているようだ。もしかしてこの2年で数度住人が入れ替わっている可能性もある。香港とはそれほどまでに、生き残るのが難しいし、疾風のごとくプレーヤーが入れ替わっていく街だ。

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この地を訪れて、この2年間の歩みをしみじみとかみ締めた。時代は常に変化していく。その変化に飲まれるのではなく自分自身が変化となっていく。事業を持続させること、とりわけ香港で生き残るためには、この覚悟が必要だ。

 

夏の香港へ

田園に囲まれた緑の世界を離れ、大都会東京へ。そして今この瞬間香港に到着した。現在、空港でこのブログを書いている。香港へ来るのは数ヶ月ぶり。今回はいつもより少しだけ余裕のある旅程となっているので、香港レポートを現地から送ろうと思う。今回の香港訪問の目的はもちろんお仕事。でも着眼点としては、中国人の消費動向だ。昨年の夏はこの街は中国人であふれ返っていた。どこもかしこも北京語が聞こえ、猛烈な爆買いをしていた。当時の日本もそうだ。そして1年がたって、日本では中国人の爆買いの勢いは大きく衰えた。きっと香港もそうなのだろう。香港から生の情報を届けます。

 

さて、これからまずはExpress に乗りCcentralへ。

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地方色を世界へ

現中国語を勉強している。といってもかれこれ10年試行錯誤している。時代は便利になったもので週に2回程度スカイプで中国在住の先生とレッスンをしている。25分で600円だ。まぁ、一般的に考えて安いといえるだろう。実は、毎日中国語で日記を書いていて添削もしてもらっている。我ながら良い勉強の仕方であると自負している。

 

さて、僕の先生は大連在住。面白いことに彼女は日本の商品を中国国内で売るオンラインサイトを運営している。面白いのはその内容だ。普通に日本ではコンビにで買えるものが付加価値を持って(マージンをのせて)中国では売れているそうな。先生曰く、事業も順調とのこと。

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もちろん、このようなオンラインサイトは中国に限らず世界中にあると思う。競合も多数存在することだろう。でも重要なポイントは「日本の商品に対する信頼が高い」という点だ。中国と日本の関係は必ずしも良好ではないが、日本の商品(電気製品、自動車含む)に対する信頼は絶対的だ。中国で同じものを売っていてもわざわざ日本に買いに来るくらい。

 

観光を始めとしたインバウンドビジネスで、どんどんまずは日本を知ってもらおう。そして先生のサイトもそうだけれども、母国に帰っても日本の商品を手軽に入手できる仕組みを作ろう。このアウトバウンドビジネスも重要だ。体力のある大手企業は海外に直接工場を設けて現地製造するだろう。それはそれでどんどん進めるべきだ。一方、日本の地方の加工品であったり(たとえば、先日紹介したウコン)であったり、地方色のある商品を直接海外と繋げてしまう。そうすることで、衰退する地方であっても、海外の旺盛な経済の恩恵を直接受けることができる。これはリニアモーターカーを作るよりもよほど"持続的な”効果があると思う。(関連記事:世界から日本へ

 

日本の良い物、特色ある物を直接海外と繋げる。たとえそれが個人単位、村単位、町単位での小さな一歩出会っても、それは歩むべき一歩。

 

 

大越君がんばった!

昨日、甲子園で新潟県代表中越高校と富山第一高校の一回戦が行われた。

試合は、9回裏サヨナラで富山第一が1-0で勝利。

新潟県勢は涙をのんだ。

 

実は、この2番バッター大越君は実家の隣の隣の家の青年。

村中には写真のように応援幕が立てられて甲子園での一勝をともに祈った。

 

実は、新潟においては中越高校は野球の名門校で県内外の有能な選手を集めている。高校は、彼の実家と100km以上もはなれた地にある。中学校時代の活躍からスカウトされ、中越高校に特待生として入学。地元を離れ下宿生活へ。

 

彼の生まれた地(僕の生まれた地)は人よりも猿が多い?ような田舎も田舎。こんな辺鄙な地から生まれたヒーローに村中は沸いた。村中で1口1000円で応援金を集め、彼を応援した。

 

こんな小さな村からも夢と努力があればどこでもいける。

大越君は村の子供たちに大きな夢を与えたに違いない。

大越君ありがとう!

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2番バッター大越君

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東京新潟物語

雑多な大都会東京を離れ故郷新潟へ。

 

いつもは車で帰るけれど、混雑を避けて今回は新幹線にて。車窓から見える世界は活きた田園の緑の世界だ。上越新幹線に乗るといつも目にとまるポスターがある。吉乃川のポスターだ。長岡が誇る日本酒蔵元。

 

そのポスターにはいつも淡い思いがよみがえる。

「東京新潟物語」

 

僕は「日本物語」を世界へ伝えたい。

 

2015 / WINTER
好きな人と故郷の駅に降りたとき、私、結婚するんだなと思った。
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2014 / WINTER

お酒を分けあって暖かくなる。雪国の夫婦って、いいなあ。
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2014 / AUTUMN
結婚しようって言われて、なによりも先に、浮かんだのは、故郷の母と父だった。
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2014 / SUMMER
初めて、東京の人を 連れて行くなら、夏がいい、と 決めていた。
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2014 / SPRING
仕事忙しいし お見合いだなんて 帰れないよ。 と、嘘をついた。
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2013 / AUTUMN

告白された。こんどは、ゆっくり恋をしようと思う。
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2013 / SUMMER
帰省したら、幼なじみがお母さんになっていた。私は、
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2013 / SPRING
東京で 失恋した。 お酒が強くて、 よかった。
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2012 / WINTER

東京に出たから、新潟というかけがえのない、故郷ができた
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2012 / AUTUMN
あの人のために編み始めて、いつの間にか、新潟の、父のために編んでいる。
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2012 / SUMMER
子供の頃から見ていた長岡の花火を見に行かなかった初めての夏
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2012 / SPRING
初めて父と飲んだ。ちいさい頃から家で父が飲んでいたお酒だ。
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2011 / WINTER

東京が晴れた日は、新潟は雪だ。
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2011 / AUTUMN
親類全員揃ううちの法事を東京の人に説明するのは大変です。
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2011 / SUMMER
東京には、好きになった人がいる。新潟には、好きだった人がいる。
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2011 / SPRING
就職した。東京の男の子の前では、まだ飲んでいない。
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隠れ家発見

グルメレポートは続くわけだが(笑)、このお店も面白かった。

素材へのこだわり、内装へのこだわり、そして何よりも良いのが本格的な隠れ家。

勉強になった。

 

内装や料理の構成は女性に受けるだろうね。

価格帯も決して悪くはない。

おしゃれに、シンプルに、カジュアルに、というコンセプトだね。

 

僕は料理人ではないけれど、料理もものづくり。

本当にcreativeな世界だ。

でも、参入障壁が低いから競合も多い。

一瞬の花火や流行で終わらずに、何年も勝ち続けることは本当に難しい。

 

faroaoyama.com

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捻香(ひねか)

とあるお鮨屋さんにいってきた。そこそこ評判のしっかりしたお店。以前行った時にその美味しさにえらく感動したため、今回は友人を誘って2度目のトライ。座ればコースが勝手に始まる素敵なお店。

 

お鮨といえば日本酒。早速注文したところ、店主は新しい一升瓶をあけてくれた。口に含んでみたら、瞬間的に口の中で違和感を覚えた。なんとそのお酒は劣化していた。きっと、普通の人が飲んだらもちろんその劣化を「劣化」と捉えることはできないと思う。良くわからず「日本酒ってあんまりおいしくないね」程度の印象だろう。したがって指摘もしないだろう。でも、実際その開けたばかりの日本酒は劣化していた。店主は、申しわけなっそうに他のお酒に変えてくれた。「酒屋に文句を言っておきます・・」と。日本酒は、ワインと同じように然るべき管理が必要なお酒。蛍光灯の光にも非常に弱い。温度管理も重要だ。放っておくと、捻香(ひねか)という匂いが出てきて、とても飲めたものじゃない。

 

実は、この現象は他のお店でも数度経験したことがある。しかも高級店でだ。なぜこういうことがおきてしまうのか?それは、すし職人やシェフは、あくまで最高の料理を作ろうとする。日本酒は酒屋におまかせ。そして管理にも力を要れず、ソムリエのように実際開封した後の匂いや味のチェックなどしない。最高級の素材を使ってどんなに美味しい料理を創作しても、お酒が劣化しているだけでもの凄い機会損失が生まれていると思う。

 

ここにワイン市場が成長し、日本酒市場が衰退した理由がある。

 

美味しい日本酒とは信じられないほどに美味しい。そして、それを相性のよい料理とペアリングすることで、その可能性はさらに増大する。日本酒ソムリエでも、唎酒師でも呼称何でもよいが、美味しいお酒を届ける人の育成は、日本酒産業において至極重要なことだと思う。すばらしい歴史と伝統を持つ酒蔵が最高のものを作っても、ラストワンマイルで伝達に失敗しては元も子もない。

 

瀧本哲史さん

瀧本さんの本がずっと好きで全ての著書を拝読させていただいている。

難しいことを簡単に書ける人。

そしてinsightful。

いつも僕にintelectual nutritionを与えてくれる。

 

投資家であり、教育者であり、執筆家。

僕が目指す姿そのものだ。

瀧本哲史 - Wikipedia

 

瀧本さんの新書

14歳の中学生に対して行った講義をまとめたもの。

良い先生だと心から思える。

こんな素晴らしい先生と出会えたら、きっと子供たちの未来は変わるだろう。

 

 

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お勧めの一冊。

田舎で教師をする姉にも贈ろう。